司法書士法と司法書士倫理

司法書士という職業は、司法書士法という法律を根拠に成立している職業です。
ですので、司法書士法を守らないで司法書士業務を営むという事はありえません。




司法書士の歴史については、我々が所属させて頂いている
『日本司法書士連合会』という組織のHPが一番わかりよいかと思います。

諸先輩先生方の、途方もない膨大なご尽力の上に、今の司法書士という資格が成り立っている事実は、いつも心においておくべきことと常々感じています。
また、制度の土台の根幹を支えて頂いているのは、直轄官庁である法務省という存在になります。


それらがなければ、今の自分の職業の制度はないといっても過言ではありません。

〇 『日本司法書士連合会HP  司法書士の歴史』
http://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/history.html

〇 『近畿司法書士連合会HP  司法書士の歴史』

http://kinshiren.com/contents/greeting/index.html

〇 『日本司法書士連合会 会長挨拶』

http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/intro/message.html

〇 『法務省  〜司法書士の業務 他〜』 

http://www.moj.go.jp/MINJI/shihou.html

 

また、司法書士の使命は、国民の権利擁護と公正な社会の実現にあります。
その使命を果たすための基本姿勢は、『司法書士倫理』として制定されています。

 

駆け出しの新米司法書士のころは、目が白黒してしまうような文言に圧倒された覚えがあります。
司法書士として、一人の国民・市民として、身に付けるべき指針がたくさん書かれてあります。

 

現在でも、何かぶれそうになったときは、司法書士倫理の原文に立ち返って立ち返ってしてみると、
スッキリした道筋が見えてくることは多いです。
それゆえ倫理職務基準としては、とても厳しい色調であるともいえます。



 

今後も、一人の司法書士として、

自分自身の人生にこれだけの恩恵を与えてくださった「司法書士」という制度に対して、恩返しや貢献、また後続の次世代・次々世代の司法書士の方々の導きの一つになれるように。

 

というのが、僕自身のささやかな願いになります。

 

 

「司法書士」という職業は素晴らしい職業である と資格勉強をなさっておられる受験生の方々には、最後にお伝えさせて頂いておきます。

 

志を立てられたのなら、初志貫徹の心意気で。

頑張ってください。

 

 

>>>次の記事 『司法書士の業務範囲』 >>>


〇 『日本司法書士連合会HP 司法書士倫理』
http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/01/ethic.pdf

 

〇 兵庫県司法書士会 会長挨拶  

http://www.shihohyo.or.jp/about/greeting.html

司法書士業務について

司法書士業務としては様々なものがあります。

 不動産登記、商業登記、裁判手続(書類作成)、

 簡裁代理等業務、供託手続、成年後見業務、

 企業法務、etc 

司法書士法第3条に、司法書士業務が定められています。内容については、近畿司法書士連合会のHPがわかりよいかと思いますので、ご興味の方はご覧ください。

http://www.kinshiren.com/

 

 

また、司法書士の業務範囲を考えるときに、必ずでてくるのが他の国家資格(特に弁護士資格)との職域の問題です。

 

個人的には、例えば、離婚相談、紛争性のある相続相談、法人の破産や再生、刑事事件の絡む問題、等々は、ご相談の段階で、すぐさま弁護士の先生への相談をお願いしています。

その後、離婚相談に絡む財産分与の登記、遺産分割まで至った後の不動産相続登記、等々の処理を連携させていただくこともあります。肝心なのは、依頼者の方が安心で一番満足される結果になられることと感じます。

 

 

ですので、他業種(弁護士先生、税理士先生 等々)とは仲良くさせていただく事が、一番大切と感じます。

 

依頼者の方にとられては、何か喧嘩腰の先生達よりも、仲良く役割分担されておられる先生達に頼まれる方が随分と安心されると思っています。

 

 

そして、司法書士についての職域の問題を、司法書士の専門家としての責任の目線から捉えておかれることも、実務現場においては大きな指針と幾層かのセキュリティになっていかれるかと思われます。

 

2013年末に発行された、東京高裁判事(部総括)であられる 裁判官加藤新太郎先生が書かれた、『司法書士の専門職責任−弘文堂』という書籍があります。新人先生にとっては、おススメというレベルではなく、必読(必ず読んでおかれる必要がある)内容かと感じます。

また、月報司法書士2016年3月号弁護士平沼直人先生の『不動産登記申請にかかる業務過誤の態様と注意義務の程度』に、大きな実践的な技術や指針の知恵・理論がたくさんわかりよく書いて頂いてあり、大変勉強になるかと思います。(月報司法書士は司法書士登録をされると、毎月送っていただける実務雑誌です)

 

個人的には、感覚的に明確でなかったり、詳細な基準が不明瞭であった部分が、本当に緻密に明瞭に判例や山野目章夫教授先生(2014年時、早稲田大学教授・新司法試験考査委員〔民法〕)の判断モデル基準等で示してくださっていますので、本当に有難い限りの書籍です。

 

 

 

また、司法書士制度の論議に関しては本当にいろいろあります。

 

隣接業種(特に弁護士資格)との職域の議論には、新たな権限の付与から制度の廃止に至るまで、本当に様々なものがあります。発言されておられる方が、ご自身の信じるところを述べておられる。という意味で、ある意味、どの意見も正解でしょう。また、職域の限界ラインの議論については、どんどん精緻になってきている感はあります。これはとても良い事と思います。

 

後は、制度に関する法改正の際に、どのような(国民の)判断が下されることになるのか。というのが大きな結論になっていくかと思います。

 

 

また、司法書士のこれからの新たな業務範囲について、

元日本司法書士連合会会長 

 佐藤 純通(さとう じゅんつう)先生のお考えが

  一番スッキリするかと、個人的に感じています。

 

佐藤 純通先生のお考えは、司法書士の業務範囲については次の様に話されておられます。

 

 

 〇4つの業務( ・独占業務  ・附帯業務  ・附随業務  ・認定業務 )がある事。

 〇司法書士法第3条に定められた(弁護士との競合的業務)独占業務に目が行きがちであるが、

  司法書士法施行規則第31条1号に、全ての司法書士が行う事の出来る附帯業務が定められている。

 〇司法書士法施行規則第31条2号には、成年後見業務が司法書士業務であることの明記がある。

 〇独占業務の職域についての意識も重要だが、積極的にこの附帯業務についても取り組むべきである。

 

このような、事をおっしゃられています。

 

 

 佐藤純通先生が、司法書士にお伝えされたいであろうと、一人の司法書士として感じる事は、

 

『職域の問題に委縮しすぎしまって、司法書士法や司法書士法施行規則にせっかく作ってくださっている仕組みまで、見えなくなってしまうのは勿体ない。』

 

『このような枠組みのしっかりした理解と活用、あわせて職域の問題にしっかりとした意識を配る、この両立をしていく事がとても大事である。なおかつ隣接業者と仲良くすることが一番の依頼者の満足の土台。』

 

と、個人的には受け取りをさせて頂いています。

 

 

また、平成21年3月23日民ニ第726号 法務省民事局第二課長回答においては、司法書士法施行規則第31条第1号の「管財人、管理人その他これらに類する地位」には、「遺言執行者が含まれる」との回答がなされています。

 

遺言執行者等の遺産承継事務や相続財産承継業務についての法務省の回答ですので、相続関係業務においても、この司法書士法施行規則第31条を大いに活用がさせて頂ける部分です。

但し、相続において紛争性がある場合、紛争性が明らかに潜んでいる場合等々は、弁護士法第72条の弁護士法違反の問題がでてきます。ここのところは難しいところで、今も活発な議論がなされている部分の様です。

 

また、その際には双方喧嘩腰で取り組むのではなく、あくまでも主役は相続人さんなり、亡くなった方そのものの思いですから、弁護士資格の方への橋渡しや連携等々の工夫をとっていかれるような、細心の注意が必要と感じます。

 

 

 

また、顧問契約や社外役員(社外取締役・社外監査役)といった先進的な企業法務に取り組んでいかれるのであれば、しっかり胸に止めていただいておきたいメッセージがあります。

 

元法務局長(宇都宮、浦和、横浜、札幌歴任)で元公証人、現桐蔭横浜大学法学部客員教授(会社法担当)、有限責任中間法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、日本公証人連合会会友であられる 神崎 満治郎(こうざき みつじろう)先生のおっしゃっておられる事です。

神崎満治郎先生は、2008年4月1日雑誌「市民と法」創刊50号記念号「変化する司法書士業務、変革する司法書士」に寄稿された「司法書士と商業登記をめぐる雑感」において、次の様に述べられています。 

 

〇会社法改正や会社法そのものについては、弁護士も、公認会計士も、司法書士も、行政書士も、税理士も、皆同じゼロからのスタートラインであったが、司法書士が最も多くの成果を挙げたであろうこと。

〇社外役員(特に社外監査役については、司法書士の商事法務を企業に認識してもらうため、上場企業の社外監査役が100人になる時が、経済界に認知された時となるのではないかということ。

 

『神崎 満治郎先生 「市民と法」創刊50号 寄稿分全文』 商業登記倶楽部HPより

http://stclub.co-site.jp/public/cky/cky040.htm

 

企業法務(顧問契約・社外役員)という目線において、商業登記法のスキルや実務知識は、本当に大きな武器になると思います。社外監査役についても、第三者的な立場からの進言にも、そのスキルやメンタリティーは大いに役立つでしょうし、それこそ業務監査であるともいえます。

 

 

一つの地域の一人の司法書士としましても、未来がそうなって欲しいという思いを心より感じます。

膨大な先人や先輩司法書士の方々の挺身の土台の上において、業務をさせていますから、

次世代や次々世代の方々のよりよき繁栄を願わずにはおられません。 

 

 

新人の先生や、若手の先生につかれましては、ここのところのご理解を深める事と、それでもってご自身の業務を展開なり発展をされていかれることも大切な事の一つと思います。

 

この一つの職業を通じて、日本の社会、全国津々浦々の地域地域に役立っていかれることになっていかれることを願っています。

しっかり、胸を張って。 

 もちろん、他の先生々とも仲良く。 そう思っています。

 

 

 

 

*参照条文/参照資料

 

『司法書士法  第29条』

司法書士法人は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。

1 法令等に基づき、すべての司法書士がおこなうことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部

2 簡裁訴訟代理等関係業務

 

『司法書士法施行規則 第31条』

司法書士法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。

1 当事者その他の関係人の依頼又は官公署の嘱託により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し補助する業務

2 当事者その他の関係人の依頼又は官公署の嘱託により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらの類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取り消しを行う業務又はこれらの業務を行うものを監督する業務

3 司法書士又は司法書士法人の業務に関する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

4 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律第33条の2第1項に規定する特定業務

5 法第3条第1項第1号から第5号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務

 

『司法書士法』 他 司法書士法全文 ‐日本司法書士連合会HPより‐

http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/intro/regulation/regulation_list.html

 

 

 

 

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