実務家からみえる人間模様

支援の輪

 

いろいろな問題を処理していく中で、『ご家族の話し合い』は本当に大事だと思いますが、もうひとつとても大事な事があります。

それは、他の専門職の方々と連携をとっていかれることです。

 

 

 

 

法的支援だけでは・・・

例えば、ご家族の中に高齢者や障がいを抱えた方がおられる場合としましょう。

仮に借金問題としたときに、家計簿をつけられる努力なり、ご家族の話し合いなりでは、なかなか状況が打開していかないケースがあります。

 

このような場合は、市役所や福祉行政機関と、密接な連携をとっていかれることがキーポイントになります。

 

弁護士なり司法書士なりという法律職業は、法律的・法務的な支援は得意でしょうが、その人の日常の生活に対する生活支援なり、その人そのものへの人的支援という意味では、不得意な方が自分自身を含め多いように、個人的に感じます。

 

 

法律職の相談スタンス

そこの根本は、職業上の性質の違いが多々あるようです。

例えば、社会福祉士の方が相談者の方の相談を聞かれておられる場合、こちらが「でもこれはこうでしょう?」とか「そこの事実はどうなんですか?」とかのように、こちらから差し込んで聞いていく(あるいは問い詰める)様なスタンスはあまりありません。

こちらからしてみれば、ひたすらに聞いて聞いての連続で、本当によくあそこまで聞く一方で相談者の方を受け止め続ける姿勢がとれるなと、初めて権利擁護相談に同席させていただいたときに、びっくりしたことがあります。

『受容』なり『傾聴』といった言葉を、その社会福祉士の方々から教えていただいて、自分自身はその目線はほとんど意識していないかもしれないなと、大変に勉強になった事がありました。

法律職というのは、そのようなそのかた存在そのものの『受容』であったり、その人の心なり体全体の動き感じるぐらいに気持ちを汲んで汲んで話を聞く『傾聴』ということは、省略してしまう傾向を感じます。

 

そのような事さえも身に付けておられる素晴らしい法律関係の方は周りに多いのも事実ですので、これはむしろ自分自身への問題提起になってくるかと感じています。

自分自身の相談スタンスをみてみると「この問題の本質はこれであって、これをこうすればこうなります。」という風に、すぐに結論をだしてしまいたくなる、余計な会話は省略してしまいたくなる、傾向があります。

 

 

福祉職の現場での悩み

その一方で、逆に福祉職の方が苦しんでおられるケースもありました。

 

法律上の処理(例えば、債務整理手続きをとられる、成年後見制度を利用される、内容証明郵便を送る 等々)をとってしまえば、即座に解決してしまう様な状況にあるにもかかわらず、延々と『受容』なり『傾聴』し続けてしまって、結局解決に到っていないケースです。

 

もっと気の毒だったのは、相談を聞かれている福祉専門職の方が倒れていってしまったケースです。土日や時間外も返上でその相談者と関わりをしてしまって、最後はその職業の方そのものが、疲弊してしまい、心身のバランスを崩して、離職をされていった現場がそこにありました。

当の社会福祉士さんはまだ30代の方でしたので、本当に気の毒なケースでした。

 

 

法的支援と生活支援

 

そのような意味では、「車の両輪があって初めて前に進む」話ではありませんが、

依頼者の方が本当に助かりに繋がられるように、お互いの専門職の特性を活かして、サポートする、サービスを提供する。

その中から、生活保護制度のシステムの利用や、高齢者・障がい者に対する制度、医療関係者の方の協力をあおぐ、行政機関等のサービスを検討される・利用される、というような流れが重要と感じます。

 

地道な作業で、いろいろな方が関われることになるので、一筋縄には、一朝一夕には問題解決にはとどかない事も多いです。しかしながら、法律職の目線と、福祉職の目線、両方でみることができれば、問題解決への道筋は随分スムーズになっていくと感じています。

 

 

『権利擁護』という言葉

 

ここ最近、専門職柄でしょうか、よく耳にする言葉に『権利擁護』という言葉があります。

 

なんだか堅苦しい言葉ですが、個人的に平たくいうと、「その人そのものにまつわる権利 をきちんとベースとして機能できるように、活用できるように、みんなで協力して実現できる環境を整えて行きましょう。」ということと、理解しています。

 

 

専門職の立場からですと、みんなのもっている特性を仲良く協力していかしていきましょう。というところでしょうか。

  ご本人さんの周りにネットワークをつくる、支援の輪を作る、協力体勢をつくる、等々、表現はたくさんあります。このような目線を持つこと自体がこれからの借金問題なり、その他の法律的な問題なり、を処理されていかれる際には、必須となっていっています。

また、各市町村が全国津々浦々で、現在進行形で、日々取り組んでいかれている大きな課題の一つとなっています。

 

 

一つの窓口からの色々な助かりへ・・・

 

一つの窓口を通じて、その家族なり世帯が助かっていかれるには、たくさんの支援の関わりを作らせていただく事も、当事務所の重要なテーマの一つとなっています。

 

一人一人の依頼者やそのご家族、世帯の方々、近隣の方々の、と助かりの輪がひろがっていかれる、お手伝いができればと思っています。皆様がより早く、よりよき相談窓口に繋がられる事を願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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