成年後見(法定後見)の申立

成年後見制度(法定後見)の利用の必要性が高まってきています。

 

施設との契約、不動産の売買契約、銀行取引の際、

高齢者の消費者被害の防止 等々

 

認知症状の進行や事故の後遺症等によって、ご本人さんの 精神上の能力 が弱ってきておられる場合、

ご家族や周りの支援者の方々のご負担は計り知れません。

 

 

成年後見制度(法定後見)を利用されることによって、ある一定の区切りや仕組みを作ることができます。

精神上の能力が(医学的に)どれだけかによって、申し立ての種別が変わります。

全くない方は『後見申立』、著しく不十分な方は『保佐申立』、不十分な方は『補助申立』と大別されます。

 

ここの所は、後見申立の際に、事前に取得する家庭裁判所の『診断書』のフォームが一番参考になります。

診断書の 「 3 判断能力についての意見 」 の4つのチェックボックスの部分です。 

(『裁判所HP 成年後見制度』 / 『診断書(成年後見用・ワード』)

 

 

 

後見人・保佐人・補助人といった、法律上、ご本人さんの財産管理や療養看護をすることのできる人が

一人いるだけで、ずいぶんとご家族や支援者の方々の負担を軽くすることができます。

 

また、ご家族やご親族が後見人・保佐人・補助人となることもできますが、

最近の動向(神戸家庭裁判所)としては、親族を選ぶことは以前よりも難しく(少なく)なってきています。

 

横領や使い込みのような刑事事件に発展してしまったような事例、

後見人等の地位の濫用があった事、後見人等の実務の不理解が大きな要因になっています。

 

そして、後見人・保佐人・補助人にだれを選ぶのかは、家庭裁判所が決定をします。

申立時の候補者として、ご家族の名前をかかれていても、選ばれないケースもある。という事になります。

ここの部分は、ご注意が必要でしょう。(参照:別HP『成年後見人就任・推薦について』

 

 

 

申立の段階から、市役所、社会福祉協議会、福祉関係者、施設関係者の方々と協力体制を作っていかれる事が最重要です。

 

後見人・保佐人・補助人どの立場の仕事も、財産管理・療養看護の部分で、その方の親御さんの立場を頂くようなものですので、生半可なものではありません。当然、責任といったものも裏返しで大きくかかってきます。

 

 

 

そんな、後見人、保佐人、補助人の役割は大きく分けると 大まかに二つの仕事があります。

 

ご本人さんの『財産管理』の部分と『療養看護』の部分です。

ご本人さんの利益を最大限尊重する意味合いでの財産を管理することと、

ご本人さんが平穏無事な日常生活を送ることができるような環境づくりにあたる療養や看護をすること

が中身になります。

 

4,5年前、専門職なりご家族なりの誰かお一人が、後見人、保佐人、補助人で就任されるケースが多かったように思います。

しかし、思いの他負荷が大きく、一定上の仕事は受けれないケース(特に、専門職の方)、また半分以上はボランティアのような形(特に療養看護の部分で)で仕事をしないといけないケースが多く、実務現場においても専門職の間で成年後見制度そのものについて、いろいろな議論がなされていたのも事実です。

 

 

個人的には、 

『財産管理』 の部分は、司法書士なり弁護士の方が

『療養看護』 の部分は、ご家族や社会福祉士や介護福祉士の方が

 

共同で、後見人・保佐人・補助人に就任される工夫も有効です。

また、最近は、そのような専門職集団のNPO法人や社団・財団法人等が

就任されるケースも増えてきています。

これは、今まで議論されてきたことの大きな解消に繋がっていくと思われます。

ただし、やはり後見人報酬等、受任組織の経済的面の問題点がないわけではないような印象をうけます。

具体的なパターンについては、こちらの別HP記事を参照されて下さい。



一人が案件を抱える事の出来る限界値があることから、このような仕組みが生まれてきているような気もします。それぐらい、法定後見の案件というものは、大変な部分があります。




ともあれ、よりきこまやかな支援のをそこにつくっていく事が、一番の目的になります。

 

このようなケースの場合、申立が終わって財産管理においての一通りの道筋がついた段階で、

『財産管理』に関わっている、司法書士なり弁護士は離脱していくことも一つの有用な方法論です。

 

 

また、後見人・保佐人・補助人に対しては、原則として 報酬 を支払わなりません。

その報酬額は、1年に1、2度の割合で、後見人等から家庭裁判所に報酬付与の申立をします。

報酬額は、家庭裁判所がご本人さんのトータルの財産や業務の内容によって金額を決定します。

具体的な報酬内容については、こちらのHP記事『成年後見人の報酬目安』を参照されてみて下さい。

 

 

 

最近は、全国の市町村で、『市民後見人』の養成が徐々になされているようです。その名の通り、市民からの後見人です。

 

これは、大変素晴らしい試みで、全国の地域地域の社会で、自治体レベルでの地域社会の再生や地域の生きたネットワークづくりに大きく貢献していくのではないかと言われています。

 

 

ただし、後見業務というのは、あくまでも家庭裁判所の監督下での業務になりますので、

思っておられる以上に、業務の内容や実務感覚を身に付けていかなければなりません。

 

ここのところは、都道府県レベルや各市町村レベルで、養成講座が開講されていっているようなので、

そのような方々の人数がどれだけ増えていかれるのか、という所が今後の課題と思われます。

 

社会福祉協議会の開催の市民後見人の市民講座にも、熱心に勉強をしに来られている方々がおられます。

年齢層も幅広く、老若男女、素人専門職問わず といった印象ですので、今後の展開に期待になりますね。

 

 

また、家庭裁判所(神戸家裁)においては、成年後見制度はどのようなものかに関して、

DVDの視聴が無料でできるようになっています。

本当の意味での支援を望まれるのなら、ご自身でいろいろな角度からの勉強をされる必要があります。

 

 

当のご本人さんが、もしもお元気であったのなら、

ご自身の周りにできている支援の輪をみて喜ばれるかどうか。

 

後見業務をさせて頂くときの、個人的に一番大事にしている判断基準です。

よりよき支援の輪がいくつも拡がっていかれる様、願っています。

皆様の地域地域でのご活躍をお祈りいたします。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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