『お母さんが亡くなった・・・』
『夫が亡くなった・・・』
『妻が亡くなった・・・』
『兄弟が亡くなった・・・』
『息子が亡くなった・・・』
できれば避けて通りたいことですが、だれしもにいつかはやってくることです。
「主人が亡くなって、どうしたらいいのかわからなくて・・・」
相談に来られた 背中が小さく丸まったおばあちゃん の抱えておられる『不安』を何とか解消してあげたくて、一生懸命、相続登記の仕組みを一つ一つお伝えた後、深々と何度も頭を下げられて「本当にありがとうございました、助かりました。」と言っていただいた時に、ふと感じたことがあります。
(ご主人さんなりご家族で、もう少しの準備をされておられればなぁ・・・
こんな風に不安だらけにならんかったんじゃないかな・・・)
司法書士という職業のところに相続の相談に来られる場合、
ご自宅・持っておられた不動産の名義をどうしたらよいでしょうか、というような、
『相続登記』の手続きが必要なケースです。
不動産の名義に関しましては、
『相続登記』をしないでも、具体的な罰金や過料といってような仕組みは、基本的にはありません。
なので、お父さんが亡くなられた際の相続の登記の際に、おばあちゃんやひいじいちゃんの代のままの名義がでてこられるケースは少なくありません。
うまく話がスムーズにまとまればよいのですが、ひいじいちゃんの『相続登記』ともなると、相続人(ご子孫さん)が相当にたくさん横に広がっておられるケースがあります。
遠縁のそのまた遠縁の親族との話がまとまる見通しが全く立たず、相続の登記の話が途中でとまってしまうケースがたまにあります。話がまとまらないで、無事相続登記が終わるまでに本当に苦労されてしまうケースです。
ただし、絶対に無理というわけではなく、きちんと手順を踏んでいけばいい話です。
時間とコストはかかっていくことは覚悟をしないといけませんが、そのまま更に放置してしまうと、
もっと処理が大変となっていきます。
このようなケースについても、気付かれた時に早めにご相談なり、相続登記をされるのが賢明かと感じます。
また、企業経営をされておられる立場なら、よくあられるケースとしては、会社所有の不動産等については、きめ細やかな対応や準備をされておられる一方で、ご自身の田舎にある亡父名義の不動産はそのままであるとか、自宅については相続の生前対策をしていおいたほうがよいのはわかっているけれども・・・、というようなケースが時々あります。
財産が多いので、相続の割り振り自体の話が治まっておられないようなケースです。
職業的な立場からは、
『相続登記』は皆様で話ができる時に、できるだけ早いうちにされておいたほうがいい。
というのは率直な意見です。
(相続登記の具体的な手順についてはこちら⇒『実家や田舎の相続登記』を参照されて下さい)
それから、最近は『生前贈与』という形にしましても、色々と税務上の優遇の制度が整備されてきていますので、そのような検討もされてみてもよいかもしれません。
お元気な間に、配偶者の方や、子供さんに不動産や財産の名義を変えてしまうご相談も増えているように感じます。
上記のような手続きについては、税務面の対応は必須になります。思わぬところに落とし穴が有ったり、節税の工夫があったりするからです。
(税務面の相談を望まれる方については、信頼のできる税理士先生方に相談をお願いさせて頂いておりますが、色々な面で信頼できる先生方ですので、ご要望の際は、合わせて活用していただければよいかと思います。相続登記の専用HPに詳しく書かせて頂いていますので、参照されてください。)
また、できるならば『公正証書遺言書』といったような『遺言書』を、生前にきちんとつくっておかれたほうが、より一層、ご本人さんの思いやお気持ちといったものを伝えることがもきるかと思います。
最近の遺言では、「付言事項」といって、ご本人さんがご自身の思いや気持ちを書き加える事を強く望まれるケースも、多いように感じます。個人的にも、このような工夫は大賛成の部分です。
大事な方が亡くなったばかりで、(あれをしなきゃ、これをしなきゃ)ばかりでは本当に大変かと思います。
気持ちに余裕が出てきたようでしたら、
『相続登記はお早めに』
という言葉を思い出していただければと思います。
(*司法書士事務所へ相談に行かれる際は、あらかじめ亡くなられた方の生まれた時からお亡くなりになるまでの戸籍謄本や現在の相続人さんの戸籍謄本等をそろえておかれれば、手続きが早くスムーズに進みます。時間の他に司法書士の戸籍取得の手続き費用も節約できますので、一石二鳥かもしれません。また参考にされてください。)