信託法の活用(個人信託・家族信託)

信託法の新しい活用方法が生まれてきています。

今の信託法は、欧米の信託法の流れを汲むものなのだそうですが、

法整備をされておられる立場の方々は本当に凄い方々だな、とつくづく思います。

 

老後の財産管理や相続対策、障がい者の方の『親亡き後問題』、子供のいないご夫婦 等々のケースで、

信託の仕組みを上手に活用されることで、大きな満足を得られる可能性は高くなってきています。

 

その際に、色々な専門職の方々の協力関係は必須となってきます。

地域地域において、弁護士、税理士、司法書士、社会福祉士、介護福祉士、等々の国家資格の方々との、

上手な役割分担をされていくことが、一番の早道と感じます。

 

このような枠組みを踏まえたうえでの、信託法の活用事例を見てみましょう。

 

一つの具体例を見てみましょう。

例えば、複数の不動産や預貯金を保有するご高齢者のケース。(相続人は息子さん・娘さんの二名)

 

『もしも、自分が認知症になってしまったら…』

お父さんがそのような状態になってしまった場合、相続人である息子さんと娘さんでは、資産の売却や運用といったものはできなくなってしまいます。

 

この際に信託法の活用事例です。

 

本人さん名義の資産(不動産、預貯金等)を 「信託財産」に

本人さんの息子さん・娘さんのお二人を信託財産の 「受託者」 にして、財産の管理・運用を託し

本人さんが生きておられる間は、「受益者」として、生活費等をもらう。

 

このようされる事で、

ご自身が認知症になる不安と闘いながらの資産管理や運用から解放されることができます。

 

また、信託法の仕組みのもう一つの利点は、

信託の設定時点においては、原則的に贈与税の負担は生じない点になります。

 

上記の場合、不動産の名義は信託財産として、息子さんと娘さんに移ることになりますが、

信託の仕組みでは、受益者(=本人さん)を所有者とみなして、原則課税します。

ですので、息子さんと娘さんへの贈与税の問題は発生しないことになります。

 

また、この際に、信託契約はご本人さんが亡くなられた時に終了する設定とされれば、

お父様から、息子さんと娘さんに相続が発生することとなります。

その相続の時に、息子さんと娘さんが相続税法に則って、相続税を支払われる形となります。

 

また、信託設定後に、お父様が認知症となられたとしても、「受託者」である息子さんと娘さんは、

今まで通り、資産の管理・運用をすることができます。

「受益者」であるお父様に、生活費、治療費等を支払う事も可能です。

ここが大きなポイントとなります。

また、専門職の先生方(弁護士、司法書士、税理士、社会福祉士等々)の関わりのパターンもいくつかあると思われます。

 

 

 

またもう一つの例としましては、

親亡き後の障がい者の方のケース を見てみましょう。

(母親と知的障害を抱えておられる息子さん

    成年後見人として国家資格者)

 

親御さんがお元気な間は、知的障がい者の息子さんお世話は全面的にすることができます。

 

しかしながら、もしもお母様の立場の方がお亡くなりになってしまったら・・・

これは、お母様の立場の方は、相当に絶望的な想定をしていかないといけません。

ご自身が亡くなってしまった後は、我が子が今後どのように人生を歩んでいけるか、守っていけるかに、

一切関わることができないからです。

また、できれば、息子さんが将来亡くなった際、ずっとお世話になってきた施設に寄付をしたい。のが

お母様の気持ちとします。

 

 

このようなケースの場合に、信託法の活用をしてみましょう。

 

お母様の持っておられる財産を「信託財産」に。

信託財産を託す方「受託者」は、信頼のできるご親戚に託します。

そして、お母様がお元気な間は、その信託財産の利益の受取人「(第一)受益者」はお母様。

お母様が亡くなった場合は、その利益の受け取り人「(第二)受益者」は息子さん。

 

 

また、将来に息子さんが亡くなった場合には、

息子さんが亡くなった際に信託終了と設定して、帰属先を社会福祉法人とします。

 こうすることで、本来の目的を果たすことができます。

信託財産を預かっておられた信頼できるご親戚の方に、費用を渡すしくみも作れます。

 

このケースの場合、遺言の仕組みだけでは、息子さんから社会福祉法人への寄付はできません。

知的障害の息子さんが遺言をつくられる能力はほぼありませんし、

お母様から、息子さん→社会福祉法人 といった連続遺贈の遺言は今の制度ではできないからです。

 

最終的には、お母様→息子さん→相続人なし→国庫に帰属 という道筋をたどることになります。

 

ここの部分においても、各専門書の方々の関わりが必須となってきます。

ご自身たちにとって、一番相性のよい先生方との支援の輪を作っていかれる事が一番大切な部分でしょう。

 

 

障がいの子供さんを抱えられた親御さんの人生は、

本当に想像を絶するものがありますし、

本当のご苦労は、私自身、今もわかっていないと思います。

 

その積み重ねの裏返しで、ここまで障がい者の方々の

制度や仕組みが発展してきたのだとも思います。

 

しかし、現場の意見はまだまだ発展途上です。

 

 

 

大切な子供さんの将来に対する、漠然とした不安を解決されていかれるために、

全国津々浦々において、信託法の制度をよりよく上手に活用されていくことを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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